電子黒板のメリットと普及における課題

政府が推進する「教育のIT化に向けた環境整備4か年計画」以降、各教室には電子黒板とノートパソコンが配備され、ICT環境の整備とともに活用の動きは進んできました。2020(令和2)年に向けては、一人1台のタブレット端末所持が当たり前となり、デジタル教科書やデジタル教材の普及と合わせ、電子黒板中心の授業風景がめずらしくなくなるでしょう。とはいえ実際には、2018年現在で普通教室の電子黒板整備率が26.8% と、その普及率は期待されていたほど芳しくありません。
加えて現場で授業を行う先生に聞くと、学校に電子黒板が配備されているものの、未だ十分に活用できていないという声も少なくありません。特にICT機器に対して苦手意識の高い先生の中には、「使いこなす自信がない」「トラブル対応が不安」「使い慣れた黒板で十分」といった意見もあるようです。

電子黒板に期待される効果とは?


いざ電子黒板を導入しようとする際、利用者である先生方が期待する効果とは何でしょうか。大きく2つ挙げられます。

①生徒の学習意欲・理解力の向上
電子黒板に提示した写真や図を拡大表示したり、直接文字や印を書き込んで説明したりすることで、従来の板書と比べて生徒の学習意欲や理解力が高まる。また、先生の説明時に生徒たちの注目を得やすくなり、集中力アップの効果も期待される。

②授業効率のアップ
電子黒板と教材データの組み合わせで板書に時間をかけなくていい、書画カメラと併用することで資料の作成に時間をかけなくていい、電子黒板に提示した内容は保存したり後から呼び出したりが簡単にできるため、前回の復習がスムーズにできるなど、授業の効率化と先生の負担軽減が期待される。

現場で実感!電子黒板のメリット

それでは、実際に電子黒板を導入し、日々の授業で使用している先生方は、どのようなメリットを感じているのでしょうか。

・「生徒の興味、関心度合いが高まった」
やはり電子黒板の大きな魅力の一つは「視覚に訴える」ことができる点。提示した内容をすばやく拡大表示したり、動きのあるコンテンツを見せたりなど、紙や黒板ではできなかったことが可能になるため、児童の反応の違いが顕著に表れるようです。

・「ペン操作で画面に書き込めるから、児童も使いこなせる」
直接タッチでペン書きができる点は“電子黒板ならでは”といっていいでしょう。また、消去も一瞬でできてしまいます。パソコンよりも扱いやすく、大事な個所を指示したりアンダーラインを引いたりしながら説明できるため、授業中に児童が前に立ってプレゼンテ―ションをする機会が増えたそうです。

・「書いたものをデータで残しておけるから、授業の振り返りが楽に」
電子黒板ならではといえば、書いたものをデジタルデータで残しておけること。消したら終わりの黒板と違い、簡単に前回の授業の書き込みデータを呼び出せるため、内容の復習や振り返りが容易になったという声が聞かれます。

その他、電子黒板のメーカーや機種によって異なりますが、「ペンだけでなく指でも書き込める」「パソコンがなくても使える」「フリーハンドで書いた図形を自動で補正してくれる」など、細かいメリットも多く挙げられました。

使ってみてわかった電子黒板のデメリット(課題)

反対に、電子黒板のデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。現場の先生方が感じている課題について聞いてみました。

・「黒板より表示サイズが小さい」
電子黒板の場合、書き込んだものを保存できる一方で、黒板と比べて表示サイズが小さいという欠点があります。後ろのほうに座る児童からは見えにくかったり、授業中にずっと見せておきたいものを表示しておけないといった不便さがあるようです。そのため、板書というより単に資料を提示しておく画面といった使い方にとどまっているという意見も。
・「教材の種類が少ない」
実は、電子黒板向けの教材は、まだまだ多くありません。使いたい分野のデジタル教科書がない場合、先生自身で資料を作成しなければならず、準備に時間がかかってしまうようです。

・「機器トラブルに対する不安」
パソコンなどのITツールに苦手意識のある先生は、電子黒板のような機器は自分には使いこなせないと思っています。パソコンがフリーズしたら再起動に時間がかかる、児童が壊してしまうかもしれない、大事なデータをうっかり消してしまうかもしれない、ペンが動作しなくなったら授業の流れが止まってしまう……など、対応できない突発的なトラブルが起こる可能性をデメリットと感じるようです。

その他、「アイコンが多すぎて使い方がよくわからない」「信頼性に欠ける」などが挙げられます。

電子黒板をもっと活用させるために必要なこと

電子黒板の活用を妨げる原因として、上記に挙げた課題のひとつである「機器トラブルに対する不安」は本当によく聞かれます。「習うより慣れろ」というように、これら不安を払拭するには、毎日数十分でもいいから触って機器そのものに慣れていくことが重要です。また、ICT機器というとできることがたくさんありすぎて使いこなせないという人も少なくありません。そうした場合、備わっている機能を全部使おうとするのではなく、「使いたい」「使える」機能だけをピンポイントで利用する、そのほかの機能は捨てる、といった割り切った考えも必要かもしれません。ほかの小学校や中学校での活用事例を参考にしてみるのも手です。
電子黒板をより使いやすく、効果的なものにするツールを併用するのもおすすめです。タブレットや書画カメラなどがあれば、苦手なパソコンを使わずとも効果的な授業スタイルが実現できます。

みらいスクールステーションの「メディアボックス」も、パソコンなしで簡単に思い通りの授業を叶えるツールです。特におすすめのポイントは、起動が素早いところ、そして操作が単純明快なところ。
電子黒板を授業に取り入れようか迷っている先生は、ぜひ検討してみてください。

電子黒板に関するコラム